堀部さんは主に住宅を設計される方なので実作を拝見出来る機会は中々無いのですが、
今回幸運にも見学出来ました。
ちょうど近くで現場作業があったので外観は何度か見ていました。
小さく小豆色の地味な色合いの外観なのでともすれば見過ごしてしまうくらいの建物ですが建物内に入ってその狭さを感じさせない豊かな空間に堀部建築の真髄を見た気がしました。
コンクリートを刳り貫いた円筒空間に張り付くように本棚と螺旋階段が配置されていてどこの本も梯子を使わずに手に取れるような構成です。
寝室、水周り、書斎ももう一つの円筒状の空間に配置してあり何かに守られているような
大変落ち着いた空間でした。凝ったディテールといったものはほとんど無く、まさに空間だけでの表現といった趣でした。
見学が終わってからもしばらく夢の中にいるような気分でした。
このような建築での高揚感。少しでも近づきたいと思います。