自粛期間と長雨が続き、疲れてきたこの頃、行きたい場所に想いをはせます。
少し先の9月頃には行けたらいいなと願います。
日高山脈の麓にある十勝千年の森は、「森」と「林縁」と「草原」のエリアからなる大地の庭。きっと神様がつくったであろう雄大な大地の「自然」と人間が植物を操って美を引き出す「庭」が同時に存在している不思議な場所。(あとヤギもいる)大地の小川の流れに沿って歩いた時の満たされ感というか幸福感が忘れられず、今でも無性に行きたくなる場所です。
ヘッドガーデナーの新谷みどりさんの著書では、春夏秋冬の庭や植物の写真集だけでなく、新谷さんの文章がとても沁みる。ガーデンデザイナーのダン・ピアソン氏との対話の中で、庭にどれだけ手を加えていくかというさじ加減を「マニピュレイティング"(操る)」という言葉で説明し、植栽にはリズムとバランスがあること、音楽の旋律をつくることに通じるかもという一文に、作り手の想いが庭に表れているのが掴めたような我が意を得た心持ちになる。
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毎日コロナウィルスの情報で溢れかえっていますが、今回の新型コロナウイルスの発生は、環境破壊が原因であり、動物と人間の距離が近くなったことによるという情報がありました。↓
コロナパンデミックの原因は「動物の軽視」 霊長類学者グドール氏
【4月12日 AFP】世界的に有名な英出身の霊長類学者、ジェーン・グドール(Jane Goodall)博士(86)は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は、人類が自然を無視し、動物を軽視したことに原因があると指摘
また一方で、この状況下にて人が活動を制限したことにより、世界のいたるところで大気や海水がきれいになったり、人が暮らす街中に動物が戻ってきたり徘徊しているというほっこりするようなニュースもありました。
未曾有の混乱のさなか、人類は、環境、自然や庭との関わり方を根本的に見直す時期なんでしょうね。
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十勝千年の森のヘッドガーデナー、新谷みどりさんがthe Beth Chatto シンポジウム(2018年8月)で講演した動画があります。日本の自然のこと、里山のこと、自然や庭と人間の関わり方、ガーデナーの共有の課題など根源的な部分で共感することが多く、繰り返し聞いています。
The Beth Chatto Symposium: Midori Shintani The Naturalistic Garden in Japan
それにしても新谷さんの声はなんと心地の良いのでしょう!
私自身もこれまであまり気にしてなかった外来種の植物について、より気にとめるようになってきました。将来の生態系に影響を及ぼすものになるとして、目の前の風景や仕事場のなかでも現実的に早急に取扱い注意していかなければと考えるようになってきます。