10.28.2016

江戸川区の街路樹

秋晴れの日曜日、ジャパンガーデンデザイナーズ協会(JAG)主催の江戸川区の街路樹見学会に参加しました。15箇所ほど公園や街路樹をバスと徒歩でまわりました。

江戸川区の街路樹の取り組みは約40年前からはじまり、真摯な取り組みに一同感銘をうけました。

普段から街で見かける(主に国道沿いの)棒のようにされた街路樹をみては心を砕かれる時があり、こんな形にまでされてまでこの樹はここで生きていかなくてはならないのか、という憤りをおぼえることがあります。一方で暮らす人の立場となると、手に負えない産物であるのもたしか。そんなこんなで板挟みになる行政の苦労は想像にも及ばない。





















実際に見学した
江戸川区の街路樹はネグレクトされていなくて、場所がら我慢を強いられてる樹もあるけれどそこにはちゃんと愛が向けられるようなふうに感じました。


たとえば、クスノキ、道路側と住宅側の枝張が異なります。



イチョウもこの場所では樹高○mで樹形はコレと決められています。担当する剪定者が変わっても同じルール。


そんなふうに箇所ごとに手入れの形、大きさ、対応策などがまとめられて随時見直しもされているそうです。現実的な解決策へ向けての仕組みがしっかり作られています。

組織体制や都市計画、周辺状況も樹の生長も流動的に変わっていく中で長期的にこうした公共財である樹が維持されていくこと、我が身を振り返って無関心さに反省することもありました。街のなかの景色は人(行政も管理者も住民もみんな)の携わりがないと維持できないものです。


できて間もない新川沿いには桜並木
なんと、川の流れる下に地下駐車場がありました。
駐車場の上に川が流れてるって・・えー。



江戸川区や江東区は海抜0m以下の土地が多くて、江戸時代には湿地帯でツルが飛んでいたと前にテレビでタモリが言っていた。まさに日本のベニスといったところ。

道路沿いに小川が流れる緑道も随所にあり水と樹が身近にある。



それにしても、こんな天気のよい日に街歩きは気持ちがよかった!車で通り過ぎる道から一本それたらこんな景色があるなんて、と歩いてみないとわからないですね。




私がその日見たのは、知ったのは、ほんの一部分。いろんな人が関わるから表もあれば裏もあるだろう。でも、バスのなかで案内してくれた方が「ここの街路樹は私だったら◯◯の樹にしたかったんだけどね〜」とか、「ここは土壌が弱いからこんなにしか、そだたなくてね〜」などとふとこぼれる言葉には真実味が感じられ、こうした想いが樹にも伝ってるといいなと思いました。