3.03.2015

続いて最新の温室は

新宿御苑の温室は2012年11月にリニューアルした新しい温室です。

藻のなかに晴れた空が水面に映って



ガラス壁面に公園内の景色が映って大きなスクリーンのよう

温室として環境技術を取り入れられている点に注目とのことで、外部から自然空調を取り入れて、環境負荷を減らすなどの知恵が絞られています。

夏場には地下から冷気を室内に送るクールチューブの導入や外からの空気を中に取り入れられるようガラス壁面や屋根が開口式になっていたり、冬の空調温度を保つためにペアグラスの採用などパッシブデザインを取り入れた構造となっているとのことです。


で、主役である植物の居心地はどうなんだろう。

回遊式の順路には、熱帯山地や熱帯低地、池沼池、沖縄、乾燥地・・・と生態系ごとに展示植物が区分されています。案内マップを見て歩かなくても植物のまとまり方やちょっとした温度や湿度の変化があって違うゾーンに入ったなと気配や雰囲気でわかりました。






ベビーティアーズやパンダスミレなど、温室では意外な地被植物が地面を覆っていました。撫でたくなっちゃいます!



たっぷり水気をはらんだ大きな葉。鉢植えではこうはいきません。

























ガーデンでもアクセントプランツとして見かけるサトイモ科のコロカシア・ブラックマジック( Colocasia esculenta ‘Black Magic’ )


ふわっと鳥が羽を広げたようなシルバーリーフのヒメオニソテツ(Encephalartos horridus)























妖怪みたいなススキノキ


飛行機に乗って季節外の旅行にでかけたかのような、都会のオアシス


この温室には絶滅危惧種の保護や展示などの目的もあります。それでも公共建物としての総工費を目にしてしまうと、それならば、街中の街路樹を増やしたり、棒みたいになっている街路樹木の管理をよくしたり、公共の場所のプランターをデザイン性のある素敵なものに変えることが人や街の緑にどれだけ貢献できるのかな、という考えも頭をよぎってしまいます。
いまや温室内の外国の珍しい植物も今はみじかに手に入るようになっているし、個人レベルで育てている人もたくさんいる。だからどうなんだろう。展示のための保護のための大掛かりな温室をつくらなくともいいのにとも考えてしまう。

かつて「遊園地」や「温室」「水族館」という言葉だけで甘く陶酔していた自分からみたら、つまらない大人になってしまったんじゃないの〜、とちょっと悲しさを覚えました。



ともあれ、この寒々とした都会の中で一時の安らぎを与えてくれる温室、

外国からの旅行者も散見され、楽しそうに愛を語らうカップルにも素敵な空間でした。